繊維には、多くの種類がありますが、衣料関連の繊維は一般的に下記の4種類に分類されます。
耐候性 (野外暴露の影響) |
化学薬品の影響 | ||||
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燃え方 | 臭い | 灰の状態 | 試薬判定 | ||
ポリエステル | 強度殆んど低下しない。 | 黒煙を上げて燃える。 炎を離しても、燃え続ける。 |
芳香臭 | 黒くて硬い塊り、熱いうちは粘着性あり。 | M-クレゾールの煮沸下で溶解。 |
ナイロン | 強度やや低下し、わずかに黄変する。 | 溶けて玉になりながら燃える。 炎を離すと消える。 |
毛髪を焼く臭い。 | 丸く茶色の塊り、熱いうちは粘着性あり。 | 20%塩酸、80%ギ酸で溶解。 |
アクリル | 強度殆んど低下しない。 | 縮みながら燃える。 | 肉を焼く臭い。 | 黒くて硬い塊り。 | ジメチルホルムアミド、80%硫酸で溶解。 |
ポリプロピレン | 強度殆んど低下しない。 | 縮みながら溶け、徐々に燃える。 | ロウを燃やした臭い。 | 灰色の硬い玉。 | 全てに不溶。 |
レーヨン | 強度やや低下する。 | 紙のように速くパッと燃える。 | 紙を焼く臭い。 | 綿に似ている。 | 70%硫酸で溶解。 |
綿・麻 | 強度低下し、黄変の傾向あり。 | 紙に似ているが、くすぶるようで遅い。 | 紙を焼く臭い。 | 灰色の柔い灰を少し残す。 | 70%硫酸で溶解。 |
絹 | 強度低下著しい。 | 紙に似ているが、くすぶるようで遅い。 | 毛髪を焼く臭い。 | 綿に似ている。 | 80%硫酸で溶解。 |
引張強さ(cN/dtex) | 伸び率(%) | 比重 | 公定水分率(%) | 熱の影響 | ||||
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乾燥 | 湿潤 | 乾燥 | 軟化点(℃) | 溶解点(℃) | ||||
ポリエステル | f | 3.8~5.3 | 3.8~5.3 | 20~32 | 1.38 | 0.4 | 238~240 | 255~260 |
s | 4.1~5.7 | 4.1~5.7 | 20~50 | |||||
ナイロン 6 | f | 4.2~5.6 | 3.7~5.2 | 28~45 | 1.14 | 4.5 | 180 | 215~220 |
ナイロン66 | f | 5.0~6.5 | 4.5~6.0 | 25~38 | 230~235 | 250~260 | ||
アクリル | s | 2.2~4.4 | 1.8~4.0 | 25~50 | 1.14~1.17 | 2.0 | 190~240 | 明瞭でない |
ポリプロピレン | s | 4.0~6.6 | 4.0~6.6 | 30~60 | 0.91 | 0 | 140~160 | 165~173 |
レーヨン | f | 1.5~2.0 | 0.7~1.1 | 18~24 | 1.50~1.52 | 11.0 | 軟化、溶解しない。260~300℃で着色分解し始める。 | |
綿 | 26~43 | 29~56 | 3~7 | 1.54 | 8.5 | 235℃で分解。275~456℃で燃焼。 | ||
絹 | 2.6~3.5 | 1.9~2.5 | 15~25 | 1.33 | 11(生糸) | 120℃5時間で異変。150℃で分解。 |
ポリエステル | ナイロン | |
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風合 | やや硬く、腰がない。 | 柔らかく、腰がない。 |
吸湿性 | ほとんど吸湿性がない。 | 少し吸湿性がある。 |
強さ | 強いが、摩耗にはナイロンより弱い。 | 強いが、特に摩耗に対して強い。 |
熱に対する性質 | ナイロンより強い、熱セットに性にすぐれる。 | ポリエステルよりは弱い。 |
化学的加工のしやすさ | ナイロンよりやや加工がしにくい。 | 科学薬剤と反応しやすく、加工剤による加工が容易。 |
各繊維の特性を踏まえ要求項目を満たした繊維を選択します。天然繊維のコストは年毎に、地域の天候等に影響されるため、価格は安定しません。一方、合成繊維等は比較的安定しています。
グンゼの原材料選択技術を用いた機能をご紹介します。